2010年 07月 27日
まじめなマジメル |
ブノワ・マジメルというフランス俳優、私にとっては
「クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち」(2004年)
の、よく走ってなんかかわいい刑事さんのイメージが強く、そのあと
「王は踊る」(2000年)
を見てびっくりしたり、
「裏切りの闇で眠れ」(2006年)
というバリバリ系タイトルのフィルム・ノワール(おもしろくなかったよー)を見たりしたんですが、
真面目そうな俳優さんだな。
と思ったのでした。名前、マジメルだし。
先日WOWOWで放送した
「U.N.エージェント」(2008年TVM)
のマジメル、案外実像もこんなじゃないかな、というくらいに律義でまじめな役でした。
WOWOWの番組サイトは ここ。
予告編は ここ。
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争のさなかの1995年7月、安全地帯の町スレブレニツァで、ムスリムのボシュニャク人8000人以上が消息を絶つ。
国連組織ICTY(International Criminal Tribunal for the former Yugoslavia 旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷)は、検察官のジャック・カルヴェ(ブノワ・マジメル)を派遣。
セルビア人による大量虐殺を確信させる証言と証拠が集まる中。
セルビア軍による妨害工作に悩まされ。
しかし犠牲者と家族を思うにつけ、ジャックは引き下がるわけにはいかない・・・。
国連軍を装って、人々を連れ去ったりしていることもわかってくる。
死体をバラバラにして埋めなおしたらしい、とか。
ちょっと前に
「「民族浄化」を裁く―旧ユーゴ戦犯法廷の現場から」 多谷 千香子 岩波新書
という本を読んだのですが、まさにその事件を扱ったものでした。
ついこのあいだまでご近所で親しくしていた人が、虐殺者と変貌する。
著者はハーグの国際軍事法廷で判事をしていた方です。
逃走していた主犯格のカラジッチが一昨年逮捕されて、今年に入ってから裁判が始まるはずだったのを、弁護士にいちゃもんつけたりして引き延ばしている、というニュースを2月か3月に見たので図書館で借りて読んだのですが、人間にがっくりしてしまう。
その証拠を集め、裁判をする担当の人たちの苦労も大変なものです。
いやになっちゃう人も多いんじゃないか、と思ってしまいました。
(昨日のポル・ポト派の収容所長の判決もそうですが・・・)
でもジャックは、検視医のクララに(カロリーナ・グルシュカ)、また戻ってきて調査を続けることを約束します。
現場にずっといて、かなりまいってしまったのに、えらい奴だ。
・・・と、人間にちょっと希望を持たせてくれます。
原題の 「Résolution 819」 とは、国連安保理決議819号 のことで、1993年4月に
全ての部隊とその他当局者は、スレブレニツァとその周辺地域を安全地帯として扱い、いかなる武力攻撃やその他の敵対行動をとってはならない
としたことで、それにもかかわらずそこでそんな惨劇が起こってしまったのでした。
さて、まじめなマジメルくんが立案、主演した
「いのちの戦場 -アルジェリア1959-」(2007年)
も、8月にWOWOWで放送されます。番組サイトは ここ。
それも見なくちゃ。(真面目っぷりに期待)
(その前に本を読んでおいたほうがいいかも)
「クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち」(2004年)
の、よく走ってなんかかわいい刑事さんのイメージが強く、そのあと
「王は踊る」(2000年)
を見てびっくりしたり、
「裏切りの闇で眠れ」(2006年)
というバリバリ系タイトルのフィルム・ノワール(おもしろくなかったよー)を見たりしたんですが、
真面目そうな俳優さんだな。
と思ったのでした。名前、マジメルだし。
先日WOWOWで放送した
「U.N.エージェント」(2008年TVM)
のマジメル、案外実像もこんなじゃないかな、というくらいに律義でまじめな役でした。
WOWOWの番組サイトは ここ。
予告編は ここ。
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争のさなかの1995年7月、安全地帯の町スレブレニツァで、ムスリムのボシュニャク人8000人以上が消息を絶つ。
国連組織ICTY(International Criminal Tribunal for the former Yugoslavia 旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷)は、検察官のジャック・カルヴェ(ブノワ・マジメル)を派遣。
セルビア人による大量虐殺を確信させる証言と証拠が集まる中。
セルビア軍による妨害工作に悩まされ。
しかし犠牲者と家族を思うにつけ、ジャックは引き下がるわけにはいかない・・・。
国連軍を装って、人々を連れ去ったりしていることもわかってくる。
死体をバラバラにして埋めなおしたらしい、とか。
ちょっと前に
「「民族浄化」を裁く―旧ユーゴ戦犯法廷の現場から」 多谷 千香子 岩波新書
という本を読んだのですが、まさにその事件を扱ったものでした。
ついこのあいだまでご近所で親しくしていた人が、虐殺者と変貌する。
著者はハーグの国際軍事法廷で判事をしていた方です。
逃走していた主犯格のカラジッチが一昨年逮捕されて、今年に入ってから裁判が始まるはずだったのを、弁護士にいちゃもんつけたりして引き延ばしている、というニュースを2月か3月に見たので図書館で借りて読んだのですが、人間にがっくりしてしまう。
その証拠を集め、裁判をする担当の人たちの苦労も大変なものです。
いやになっちゃう人も多いんじゃないか、と思ってしまいました。
(昨日のポル・ポト派の収容所長の判決もそうですが・・・)
でもジャックは、検視医のクララに(カロリーナ・グルシュカ)、また戻ってきて調査を続けることを約束します。
現場にずっといて、かなりまいってしまったのに、えらい奴だ。
・・・と、人間にちょっと希望を持たせてくれます。
原題の 「Résolution 819」 とは、国連安保理決議819号 のことで、1993年4月に
全ての部隊とその他当局者は、スレブレニツァとその周辺地域を安全地帯として扱い、いかなる武力攻撃やその他の敵対行動をとってはならない
としたことで、それにもかかわらずそこでそんな惨劇が起こってしまったのでした。
さて、まじめなマジメルくんが立案、主演した
「いのちの戦場 -アルジェリア1959-」(2007年)
も、8月にWOWOWで放送されます。番組サイトは ここ。
それも見なくちゃ。(真面目っぷりに期待)
(その前に本を読んでおいたほうがいいかも)
by mifuyusasa
| 2010-07-27 17:50
| on TV
|
Comments(4)
Commented
by
ゆうこ
at 2010-07-28 22:22
x
ブノワ・マジメルの映画は、「ピアニスト」と「赤い鼻のピエロ」を見ました。「ピアニスト」、追いつ追われつのめくるめく恋の映画を想像していたので、びっくりした覚えがあります。
「U.N.エージェント」重いけどいい映画そうですね。見てみようと思います。
「U.N.エージェント」重いけどいい映画そうですね。見てみようと思います。
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by
mifuyusasa at 2010-07-29 17:52
<ゆうこさま。
「ピアニスト」と「赤い鼻のピエロ」、私はまだ残念ながら見ていないんです。
見てみたいな。
「U.N.エージェント」は、劇場で公開してもいいんじゃないか、という重厚な作品でした。
レンタルDVDは出ているみたいです。
WOWOWでは再放送の予定はないみたいなので残念ですが。。。
「ピアニスト」と「赤い鼻のピエロ」、私はまだ残念ながら見ていないんです。
見てみたいな。
「U.N.エージェント」は、劇場で公開してもいいんじゃないか、という重厚な作品でした。
レンタルDVDは出ているみたいです。
WOWOWでは再放送の予定はないみたいなので残念ですが。。。
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by
林檎
at 2010-08-04 20:33
x
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を舞台にした「セイヴィア」という映画をTVで見ました。
セルビア人もムスリムもクロアチア人もそれぞれが残虐行為を犯していました。映画としては楽しめなかったけど、これが戦争だ!という思いを強くしました。
「U.N.エージェント」は希望を持たせてくれるでしょうか。
セルビア人もムスリムもクロアチア人もそれぞれが残虐行為を犯していました。映画としては楽しめなかったけど、これが戦争だ!という思いを強くしました。
「U.N.エージェント」は希望を持たせてくれるでしょうか。
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by
mifuyusasa at 2010-08-05 18:46
<林檎さま。
「セイヴィア」、ご覧になりましたか。
見たい作品です。また放送するでしょうか。
戦争ってほんとにどっち側も残虐で、人間としてがっくりしてしまう出来事が多いですが、それでもどこかに希望はあるんじゃないか、と思います。
「U.N.エージェント」では、マジメルくんの熱意と使命感が希望でした。
「セイヴィア」、ご覧になりましたか。
見たい作品です。また放送するでしょうか。
戦争ってほんとにどっち側も残虐で、人間としてがっくりしてしまう出来事が多いですが、それでもどこかに希望はあるんじゃないか、と思います。
「U.N.エージェント」では、マジメルくんの熱意と使命感が希望でした。